Dishへの表面処理の有無のヒト胚培養成績に関する検討
2018年度 学会誌 掲載論文|Vol21-2
著者:角知英・古橋孝祐・角本知世・辻優大・岩﨑利郎・伊藤宏一・水澤友利・松本由紀子・苔口昭次・塩谷雅英
英ウィメンズクリニック
Abstract
ヒト胚の培養においてディッシュ表面処理が培養に与える影響について比較検討した報告は現在までない.本研究では,ディッシュ表面処理の有無が胚培養成績に与える影響について検討したので報告する.2016年7月~9月を対象期間とし,受精判定時に2PNが4個以上得られた136周期(2PN=968)を対象症例とし,表面処理を行ったNunc製ディッシュと行っていないFalcon製ディッシュに分けてsplit培養を行った.Day2時の分割率,良好分割率,継続培養胚当たりのDay5胚盤胞発生率,良好胚盤胞発生率に両群間の有意な差はなかった.以上の結果からヒト胚の培養においてはディッシュ表面の細胞接着処理は必ずしも必要ないことが示唆された.