Papers and Abstracts

論文・講演抄録

配偶子・胚の凍結と輸送での臨床的課題

学会誌 掲載論文

2016年度 学会誌 掲載論文日本IVF 学会雑誌 Vol.19,No.2,17-22,2016

著者:小田原靖・吉井紀子・鈴木雅美・田中可子・三箇島睦美・武田信好・鈴木寛規

ファティリティクリニック東京 〒150-0011 東京都渋谷区東3-13-11-1 階

Abstract

要 旨: 胚凍結周期の増加に伴い,転居などの理由で胚,配偶子を移送する事例が増加している.しかしながら胚を施設外に出すことにより損傷や紛失,取り違えといったリスクの可能性が生じる.移送を行う際には,双方の施設スタッフが胚移送について理解しかつ,様々な凍結融解法に対応できることを前提とし,両施設が緊密に連携し,凍結融解方法,胚の状態,移送の詳細について情報を共有する必要がある.輸送業者については,取り扱い実績を有し,可能なら専門の業者に委託することが望ましい.夫婦に対しては移送に伴うリスク,さらに移送に関わる胚の損傷,紛失については当施設が一切の責任を負わないということを説明したうえで承諾書を作成することが望ましい.今後ART施設の閉鎖,ART業務の中止に伴う他施設への胚移管や大規模災害時の一時的移管なども考慮して学会を中心に胚移送についての共通マニュアルの作成,システム,ネットワークの構築が望まれる.
キーワード:凍結胚移送,凍結胚海外搬送,ドライシッパー

参考文献

  • 平成26 年度倫理委員会 登録・調査小委員会報告(2013 年分の体外受精・胚移植等の臨床実施成績および2015年7 月における登録施設名)日産婦誌67 巻 9 号 http://www.jsog.or.jp
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