胚培養士業務の簡素化とラボコーディネーター
2016年度 学会誌 掲載論文|日本IVF 学会雑誌 Vol.19,No.2,9-12,2016
著者:泊博幸・村上真央・武内捺美・末若正恵・山田彩加・野上芹菜・森本翔子・紙野あや子・川口優妃・國武克子・内村慶子・竹原侑希・早田瞳・木下茜・荒牧夏美・久原早織・日高直美・西村佳与子・本庄考・詠田由美
アイブイエフ詠田クリニック 〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1 丁目12 - 1 日の出福岡ビル6・7 階
Abstract
要 旨: 当院の治療周期数(採卵周期・凍結融解胚移植周期)が約400 周期の頃は,3 人の胚培養士で無理なく全ての培養室業務を確実に実施できた.しかし,治療周期数の増加に伴い管理業務の煩雑化が目立つようになり,さらには安全管理に対するART 領域全体の意識も高まりダブルチェックシステム導入の
必要性も問われる一方,胚培養士を増員しても人材養成には十分な時間が必要なことから,胚培養士の増員だけでなく業務を簡素化することの必然性にかられた.その際,胚培養士業務を原点回帰すると,やはり胚培養士は専門技術を磨くことが一番重要と考えた.ART 黎明期の医師が医療という基本に立ち帰り,
医師業務の中に胚培養士という新たな専門職を誕生させた様に,当院では胚培養士業務の中にラボコーディネーターという新たな職を配置した.さらに,情報処理専門の職も配置し,胚培養士業務を当院の理念である「安全な医療と確実な結果」を提供するチームとして編成した.
キーワード:ラボコーディネーター,胚培養士業務の簡素化