精子凍結前の冷却方法についての検討
2017年度 学会誌 掲載論文|日本IVF 学会雑誌 Vol. 20,No. 2,9 -10,2017
著者:加賀 朝子・石川 聖華・中山 順樹・向江 真璃・佐久間 友・中村 好祐・荒井 勇輝・毛利 汐菜・白築 章吾・原 利夫
はらメディカルクリニック 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10
Abstract
要 旨: 凍結精子を不妊治療に用いる際,融解後運動率・直線速度の低下が起こり,希望通りの治療ができないことがある.ウシ精子を用いた研究では,液体窒素蒸気中で精子を凍結する前に予備冷却を行うことで融解後運動率が上昇したという報告がある
1).そこで本検討では,調整後の精子浮遊液と凍結液を混和させた後,直ちに液体窒素蒸気中で凍結する従来法群と,凍結前に冷蔵庫にて予備冷却を行い凍結した予備冷却群に分け,ヒト精子でも融解後運動率,高速運動率,直線速度の改善がみられるのか検討を行った.
キーワード:精子凍結,液体窒素蒸気凍結法
参考文献
- Burge RG, Sherman JK: Fertilization capacity of frozen human spermatozoa. Nature, 172: 767-768, 1953.
- 枡田博司: 牛精液の凍結保存技術に関する最近の研究動向と今後の問題点−1− . 畜産の研究, 37: 485-490, 1983.