当院における Duostim 法による採卵成績の検討
2020年度 学会誌 掲載論文|Vol23-2
著者:石橋 めぐみ1・2 ・松山 毅彦1 ・中澤 留美 1 ・河戸 朋子1 ・勝木 康博1 ・菊池 咲希 1 ・三宅 君香1 ・横田 智1 ・真鍋 有香1 ・北岡 美幸1 ・新田 絵美子2・松山 幸世1・金西 賢治2
1 厚仁病院産婦人科 〒 763-0043 香川県丸亀市通町 133
2 香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学 〒 761-0793 香川県木田郡三木町大字池戸 1750-1
Abstract
卵巣予備能が低下している不妊患者では,卵巣刺激により発育する卵胞数は限られ,キャンセ ル率も高い傾向がある.より多くの卵子を獲得するため当院ではDuostim法の実施を開始した.2019 年11月から2020年5月に実施したDuostim法での採卵成績を後方視的に解析した.Duostim法を試みた例は88周期で,黄体期スタートがキャンセルとなった例は24周期あった.残りの64周期において 卵胞期スタートと黄体期スタートの採卵成績を比較したところ,成熟卵数,凍結卵数は黄体期スタートで有意に少ない結果となった.AMH1.00ng/ml以下の周期についてDustim法実施群と非実施群を比較したところ,成熟卵数,凍結卵数は実施群で多い傾向であったが,良好胚凍結数は有意に少ない結果と なった.しかし,AMH0.50ng/ml以下の群に限ると有意差は出なかった.Duostim法を行うことにより, 周期全体の卵子獲得数が増加し,受精卵獲得周期も増加した.さらなる成績向上のため,黄体期スタート群(特にAMH0.50 〜 1.00ng/ml群)の対策が必要と思われた.