反復移植不成功患者に対して卵管内移植を行った61例の解析結果
2019年度 学会誌 掲載論文|Vol22-1
著者:山田 聡・水澤由利・松本由紀子・苔口昭次・塩谷雅英
英ウィメンズクリニック
Abstract
卵管内移植は反復移植不成功患者(RIF)に対して有効な治療であると報告されているが、通常の分割胚、胚盤胞移植、二段階胚移植に比べて優れているという見解はまだ十分ではない。著者らは配偶子を移植する方法(GIFT)7例、接合子を移植する方法(ZIFT)42例、初期胚を移植する方法(EIFT)7例ならびに胚盤胞を移植する方法(BIFT)5例を行い、着床率ならびに臨床妊娠率を調べた。その結果、 GIFTの着床率は14.2%, ZIFTは28.6%, BIFT は80% および EIFTは 57.1%であった。一方 GIFTの妊娠率は14.2%, ZIFTでは19%, BIFTでは40%および EIFTでは28.6%であった。 双胎は2例に認めたが異所性の妊娠はなかった。これらの結果から接合子を用いるだけではなく分割期ならびに胚盤胞期の胚を卵管に移植可能であり、胚を使った卵管内移植はRIFに対し有効な治療の一つであると考えられた。