反復する hatching 障害に対して AHA が有効であった一例
2019年度 学会誌 掲載論文|Vol22-2
著者:眞田(ダハール)佐知子 1) ・中山 貴弘 1 )・小濱 奈美 1) ・澤田 守男 2) ・畑山 博2)
1)足立病院生殖内分泌医療センター 〒 604-0837 京都市中京区間之町通押小路上る鍵屋町 481
2)足立病院産婦人科 〒 604-0837 京都市中京区間之町通押小路上る鍵屋町 481
Abstract
Assisted hatching(AHA)は,着床障害に対する治療法として,多くの施設で施行されている. ガイドラインが示されたものの,治療の有効性や適応については意見の分かれるところであり,各施設の 判断に任せられているのが現状である.今回, 融解した胚盤胞のhatcting障害を認め,ET前に急遽, AHAを行い妊娠に至った症例を経験したのでこれを報告する.38歳,0経妊.黄体化未破裂卵胞を繰り 返すため,IVFを施行.5個の胚盤胞をDay5で凍結保存.凍結融解胚移植を施行する際,融解6時間後 もhatching開始しておらず急遽AHAを行いETした.臨床的妊娠は成立したが,妊娠8週で自然流産と なった.その後,2回目の凍結融解胚移植を行った.AHAを予定していなかったが,前回同様,hatching 開始していなかったためAHAを行いETした.その後,妊娠成立し生児を得た.