単一胚移植により発生した一卵性双胎の検討
2018年度 学会誌 掲載論文|Vol21-1
著者:藤田欣子12・上林大岳1・堀田美穂2・北村修一2・道倉康仁12
¹金沢たまごクリニック ²永遠幸レディスクリニック
Abstract
単一胚移植(single embryo transfer、SET)の多胎発生率は、自然妊娠より高いとの報告が多い。過去12年間で経験したSET単胎妊娠3667例とSET双胎妊娠43症例をconventionalとICSI、初期胚(CL)と胚盤胞(BL)、新鮮胚と凍結胚にわけ、双胎発生率、膜性、転帰を比較検討した。
臨床的妊娠を確認できた症例の双胎発生率は1.16%であった。ICSI、胚盤胞、凍結胚において双胎発生率が高い傾向がみられたが、有意差は認めなかった。
膜性は二絨毛二羊膜性が3例、一絨毛二羊膜性が39例、一絨毛一羊膜性が1例であった。分娩27例(死産3例)、流産12例、継続中+不明が4例であった。SET双胎分娩症例では36週以下の早産率が51.8%と高く、うち18.5%が30週未満の早産であった。単胎群よりも双胎群では優位に早産率、死産率が高かった。