Papers and Abstracts

論文・講演抄録

先進医療としてのタイムラプスの有効活用と今後の展望

向田 哲規

2023年度 年次大会-講演抄録保険制度の中で先進医療としてのタイムラプスをいかに活用するか

学会講師:向田 哲規

Abstract

近年のART医療を取り巻く状況は目まぐるしく変化し、科学技術の進歩に伴って、治療方法、ART Laboの機器も進化発展しており、それらを適切に活用しながら医療レベルを高めることは生殖医療に携わる医療関係者としては重要な責務である。

また、不妊治療領域への保険医療制度の適用に伴い、保険診療と併用することが可能な先進医療制度を活用した新たな技術・治療法の導入の試みも始まっており、近年国内外で急速に普及が進んでいるタイムラプス装置を用いた胚培養もその一つである。また、タイムラプス装置から出力される大量の画像情報をソフトウェア的に処理して胚評価に利用するAIベースのシステムなども急速に発展している。

このタイムラプス観察・培養システムを、どのように活用するかはとても重要であり、ARTラボ内だけでなく、患者説明のToolとして使える点、ART医療に関する教育、職員間の情報共有の点からも有効に使うことは少なからずの投資が必要な機器を設置する場合は考慮すべきである。

本講演では、同技術の導入によるラボ現場の作業の流れや胚評価方法に生じる変化と、施設運営の観点から先進医療としてのタイムラプス装置をより一層有効的に活用するために取りうる方策について、当該施設での使用の実例、経験を含め紹介する。

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