―原著― iDAScoreによる胚評価と胚の正倍数性の関連性
2023年度 学会誌 掲載論文|日本IVF学会雑誌 Vol.26 No.2 71-77
著者:桑鶴 ゆかり・溝部 大和・黒木 裕子・福元 由美子・德留 茉里 ・燃脇 晴恵・折田 有史・岩川 富貴子・竹内 一浩
竹内レディースクリニック附設高度生殖医療センター
Abstract
iDAScoreと胚の正倍数性の関連性について検討した。Day5およびDay6胚盤胞におけるiDAScoreおよび正倍数性率についてそれぞれ比較した。同様に,Day5およびDay6良好胚盤胞のiDAScoreおよび正倍数性率を比較した。最後に,Day5良好胚盤胞におけるeuploidy, mosaic, aneuploidyそれぞれのiDAScoreを比較し,Day6においても同様に検討した。Day5良好胚盤胞においては,正倍数性胚におけるiDAScoreのカットオフ値を抽出し,正倍数性胚盤胞獲得におけるiDAScoreのカットオフ値(iDASCore:9.1)を基準に2群に分類し,正倍数性率を比較した。Day5胚盤胞(8.92±0.63)はDay6胚盤胞(6.80±1.33)と比較して有意に高い値を示した(P<0.01)。Day5胚盤胞(29.6%)はDay6胚盤胞(16.0%)と比較して有意に高い値を示した(P<0.05)。Day5良好胚盤胞(8.95±0.59)はDay6良好胚盤胞(7.05±1.25)と比較して有意に高い値を示した(P<0.01)。Day5良好胚盤胞(30.9%)はDay6良好胚盤胞(14.3%)と比較して有意に高い値を示した(P<0.05)。また,Day5良好胚盤胞におけるiDAScoreにおいて,euploidy(9.14±0.35)およびmosaic(9.07±0.41)がaneuploidy(8.78±0.71)と比較して有意に高い値を示した(P<0.05)。カットオフ値9.1以上(37.0%)が9.0以下(23.5%)と比較し,有意に高い値を示した(P<0.05)。Day5の良好胚盤胞でiDAScore9.1以上を基準とすれば, 正倍数性胚を識別できる可能性が高くなることが示された。
キーワード:EmbryoScope+TM,iDAScore,Preimplantation genetic testing for aneuploidy
ランニングヘッド:iDAScoreによる胚評価と胚の正倍数性