Papers and Abstracts

論文・講演抄録

―原著― 当院における女性年齢45歳以上の生殖補助医療の臨床成績

学会誌 掲載論文

2023年度 学会誌 掲載論文日本IVF学会雑誌 Vol.26 No.2 60-64

著者:山田健市・村川晴生

仙台ソレイユ母子クリニック

Abstract

本邦のART症例登録システムにおいて,2020年実施成績では,採卵後の経過が示され,45歳以上での妊娠報告もあるが,培養成績報告は未だ少ない.そこで,45歳以上のARTについて比較検討を行った.2019年から2022年6月の期間,40歳以上の採卵653周期を対象とした.採卵時年齢40-42歳,43-44歳,45歳以上のDay3良好胚率は45.9%,50.4%,54.3%であり,45歳以上で有意に高く,胚盤胞発生率は61.0%,59.6%,38.1%であった.45歳以上は,胚盤胞発生率が有意に低くなった.凍結融解胚移植を実施した結果,採卵時年齢40-42歳,43-44歳,45歳以上の妊娠率は23.0%,10.6%,0%であり,45歳以上では妊娠症例がなかった.以上の結果から,高齢患者において,胚培養,臨床成績について,よく理解し納得した上でARTを実施することが重要である.

キーワード高齢,採卵,胚移植,胚培養,45歳以上

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